Posted in はなみずきクリニックのブログ on 7月 11th, 2010 No Comments »
かねてより茂子先生は5月23日、東大・五月祭に行くことを大変楽しみにしていました。一方で、私は殆ど無関心だったのですが、気が付けばいつの間にかそれに同道するという話になっていて、彼女の計画では日曜日の外来が終わり次第牛久駅より常磐線に飛び乗って上野に向かう段取りでした。そんな中、折角だからと、半ば強引に勧誘し、院長ともんど副院長も参加することになり、いっそ車で行こう、と急遽決まりました。そこで、エコ減税目当てで昨年暮れに申し込み、5月初めに納車になったプリウスに4人は乗り込み、何とか午後1時半には「はなみずき」を出発しました。折りしももんちゃんの体毛が抜け替わる時期でもあり、カーブを曲がる度に彼の体が大きく前後左右に動揺するので後部座席は毛だらけになりました。
休日ということもあって、常磐自動車道jも首都高をおりてからも可なりスムーズに進むことが出来、案に反して2時半前に赤門の前に着きましたが、赤門の周りはもとより、その前の道路にも人がはみ出してくるような賑わいでした。当日の来校者は7万人を超えるという話もあながち誇大な宣伝とばかりは言えない雰囲気でした。取り敢えず赤門の正面の位置に車を停めると、私を除く3人は後ろから来る車に轢かれぬようにすばやく下車すると、反対車線を越えて無事門の近く迄到達しました。記念写真なぞを撮った後、一度だけ私に向かって手を振ると、3人は行き交う人の波に呑み込まれるように門の向こうに消えて行きました。そこまで確かめてから私は近在の駐車場を求めて車を発進させたのであります。
考えてみれば当たり前のことですが、東大の周辺に駐車場がたくさんあるはずもなく、あったとしても満車の札がぶら下がっているといった具合で、ぐるぐる周辺を経巡ってみたものの結局車を預けることは出来ませんでした。仕方なしに、みんなを降ろした場所に再び戻ってくるハメになりました。そして、道路の左端ぎりぎりに停車し、じろじろ覗き込む人たちの視線を無視してそこに留まる覚悟をしました。待つことおよそ20分、息子から電話が入り、「みんなを待たせておくから正門に来て欲しい」というものでした(赤門は正門ではなかった)。赤門を右に見ながら100mばかり行くと正門が見えてきます。
今度は正門の正面、道を挟んだ向こう側に車を停めると、間もなく高山院長ともんど副院長ガやってきて車に乗り込み、代わりに私は通行人の監視の目から解放され、晴れて自由の身になったのであります。学内にひとり残っていた茂子先生と連絡を取り、予め説明を受けてあった息子たちのやっている模擬店の場所を探し当て、お約束のフランクフルトソーセイジを6本購入しました。多いに越したことはないと、茂子先生が10本買おこうと言ったところ、そんなに買うものはないと断わられていました。普段からそうですが、彼は無愛想に我々両親の応接をすると間もなく売店の中に戻っていってしまいました。僅か10分足らずの滞在で、最後に息子と記念写真も撮りました。
帰りの車の中、もんちゃんがみんなから可愛いと言われ、たくさんの人から声を掛けられ、鼻高々であったと院長が嬉しそうに話していました。無論、数箇所にマーキングしてくることも忘れなかったようです。東大構内で堂々の立ち居振る舞いをみせたであろうもんど副院長の雄姿を見ることが出来なかったことは少し心残りです。 (Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 7月 3rd, 2010 No Comments »
平成20年7月1日、この日は確か火曜日であったと記憶していますが、我が「はなみずき号」が、行く手の困難を予感しつつも勇躍大海原に船出をした日であります。
翻って、僅か2年とはいえ、その小舟は社会の荒波に揉まれつつ、数え上げれば切りが無い位様々な出来事に遭遇しました。脳裏に甦って来る多くは、困ったことや辛かったことであり、時間の前後も必ずしもはっきりしない程です。しかし、幸運にも、それらの殆どを何とか乗り越えることが出來、我々を乗せた「はなみずき号」は順風満帆とまでは言えませんが、座礁するような事も無く前に進んでいると言えそうです。
いやしくも、小規模とは言え、医院という一種のカンパニーの経営は容易いことではなく、特に、比較的流動的な従業員を安定的に確保するといった最優先課題を解決して行く持続的、且つ多様な局面に対する細心の努力は並大抵ではありません。 取り分け、週の大半を独りで切り盛りしてゆく高山院長の大変さは想像を遥かに超えているものと推定され、週末の僅かな勤務時間、クリニックと関わっている私としては申し訳ない気持ちであります。
福音と言えば、その年の11月、もんど副院長がはなみずきクリニックの一員になったことです。彼は院長の腹心として、また有能な番犬として、末長く当院を支えてくれるものと信じています。そして、時々彼を訪ねてくれる患者さんたちの心を慰めてくれることに感謝します。久保田君、山下さん、小城さんに感謝します。 (Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 4月 29th, 2010 No Comments »
春三月、そして四月に入っても天気は一向に定まらず、記録的な寒波が日本列島を襲い、諦めたように人々は凍てつく日々をひたすら耐えているように見えるのです。はたまた、思い出したように、一転初夏を思わせる陽気になっても、翌日は再び十度も気温が下がったりするものだから、風邪を惹いた患者を診る機会も増え、目まぐるしい外界の変化に体調を崩す人も少なくありません。
斯くいう私も、今月半ば、早朝喉の痛みで目覚めると、扁桃を久しぶりに腫らして、その後一週間余り咳と痰と咽頭痛に苦しみました。著しい寒暖の変化は白血球の活性度に影響を与えるし、恐らく免疫能全般から観ても、亢進というよりは寧ろ低下させる可能性が高いと推定されます。このところの寒さは花冷えなどという代物ではないので、底冷えする明け方に備えて可なりの重装備で布団の中に潜り込むようになりました。
スーパーマーケットに行っても、お蔭で野菜は高騰するし、せめて半切のキャベツを買っても、専らはモヤシで間に合わせるような自炊生活を群馬で送っています。そんなに節約しなくてもいいのだが、迷った挙句、手にした一個三百円の春キャベツを諦めました。
四月も下旬になって、季節外れに、慮外の霙は散り遅れた桜の花びらの上に降りしきって、枝々は砂糖菓子のような薄いピンク色の飾り物でたわわになりました。その日の午後も遅く、もんちゃんの散歩に出かけましたが、手袋をうっかりしたのが運の尽き、次第に手は悴んで知覚の鈍麻してゆくのが分かるほどでした。気付けば街は真冬の様相を呈し、鉛色の夕暮れが灯の点り始めた家々をすっぽり被い尽くしていました。これでも四月だ。
散歩の道すがら、彼は時折り体を大きく揺すって薄衣の如く纏わり付いた氷混じりの水滴を勢いよく弾き飛ばします。そして、時々こちらを振り返ると、そろそろ家に帰ろうという顔をします。殊の外もんちゃんは寒いのや冷たいのが嫌いで、雨の日の散歩は気が進まないと見えて、ドアを開けて出かけようとしてもその足取りには躊躇があり、強く促されれば、不承不承にとぼとぼと歩き始めるのです。況や、雪中行軍なぞは以ての外と思っているに相違ありません。
そして、その夜、霙は雪になりました。
思いの叶わなかった遠い昔の春の記憶を辿れば、悔恨と共に、うららかな陽光に照らし出された広がる野原の明るさとは対照的な沈んだ灰色の心が浮き彫りになって脳裏に甦って来るのです。だから、今年のこんな春の陽気は、例えば受験に敗れて春を諦めたやり場のない若者たちの心を寧ろ慰めているようにさえ私には思えるのです。 (Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 4月 3rd, 2010 3 Comments »
時は3月14日、早春の朝未だき、事件は起こりました。
もんちゃんを連れ、いつものように牛久シャトーの生垣沿いを歩いていると、正面の門の脇にある電柱に大型犬の繋がれているのが見えました。それは極ありふれた黄土色したラブラドールで、一見特に問題もなさそうな犬でしたが、それが第一の判断ミスでした。それでも、我々は歩道を降りて彼の行動範囲を避けるように通り過ぎようとしました。しかしながら、明らかに間合いを測るの点において私は大きな第二のミスを犯してしまいました。それはむこうのリードの長さが目測以上に長かった点ともんちゃんが彼に親近感を抱いて近づく可能性を考慮し、より短めにリードの位置を持ち替えることをしなかった点にあります。しかし、これまでに他の犬に必要以上の用心をした事が無く、脅威を感じたこともありませんでした。
不覚にも、私の予想を裏切って彼は勢いよく飛び掛ると、もんちゃんの首に咬みついたように見えました。虚を突かれた私は反射反応的にもんちゃんを強く手前にひっぱっていましたが、後で考えると大変危険な行為であったと反省しています。頚動脈の付近に噛み付いていたら、皮膚と一緒に血管損傷を惹起し,極めて不幸な結末になった可能性があるということです。一旦咬みついた彼の顎の力は物凄く、更に両手を上下の顎に掛けて開口させようとしましたが全く開く気配がありません。初めもんちゃんも相手の暴挙に対して敢然と挑みかかるような素振りを見せましたが,首が自由にならず相手に噛み付くことも出来ず、もがいていました。その時、道路に這い蹲るような恰好から上体を起こして振り向けば、ラブラドールの飼い主はなすすべなくリードをただ引っ張っているだけでした。最早絶望的な心持で私は犬の顎に渾身の力を込めていました。
いつ彼の口が開いたのかはよく分かりませんでしたが、気が付くともんちゃんは咬みつきから解放され自由になっていました。慌てて受傷具合を確認しましたが、てっきり頚に咬みつかれたものと思っていたのに、慌て者のラブラドールがまんまと口にしたのは首輪とリードの連結部の辺りだったようです。綺麗なもんちゃんの顔が傷つけられる事も無く、大事にも至らなかった安堵感で一息ついて、見れば私の右手の掌から可なり出血していました。調べると七、八箇所の咬傷があって、痛みと拇指の痺れを自覚しました。遠くから眺めていた牛久シャトーの警備員と、通りすがりの早朝散歩の方が[大丈夫ですか」とかなんとか声を掛けてきましたが、「だいじょうぶでもない」と答えました。
格闘数分、一種の虚脱感に襲われて出血する右手掌を左手で抑えながらしばしの間そこに立っていましたが、私はラブラドールの飼い主に近づいて、その氏名と住所、電話番号を確認しました。そして、今後こういう事が無いようにして頂きたいと釘を刺しておくのも無論忘れませんでした。
ラブラドールがおとなしい非好戦的な犬であるという、他の多くの人が持っているであろう思い込みが私にもあって、とんだ目に遭いました。しかし1例の例外を以って、彼らが盲導犬や介護犬として健気に務める従順で賢い犬種であるという一般的な評価を覆すものではありません。ただ、それ以後は前から犬がやって来たら自然と身構えてしまうようになったのも事実です。まさかのときは、向かってくる相手の眉間を思い切り蹴るのが良いときかされましたが、そんなことのない様にと思うばかりです。
(Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 3月 22nd, 2010 No Comments »
年が明け、長男の医師国家試験(左程大変でないとはいえ)と次男の大学入試が目前に迫って、心必ずしも穏やかならざる日々を送ってまいりました。長男の結果に関しては直後の自己採点に誤りがなければ、殆ど問題なさそうでしたが 流石に、次男の方はのんびり結果待ちというわけにはいかず、神のない私も祈り、祈って、羽成観音に二度、八幡様にはかれこれ三、四度足を運びました。受験以外のこともついつい一緒にお願いするので、頼まれた方も面食らっていたかも知れません。
長男の結果は3月29日発表の予定と言うことで、未だ合否は不明ですが、次男は、万一の僥倖とまでは言わないにせよ、志望校に通ることが出来て一安心と言うところです。前期試験終了直後、後期試験用の過去問を買い込み、休む間もなく勉強を始めていましたから、3月10日以降の解放感は、当人はもとより我々家族にとっても、簡単に言葉では言い表すことができないほどでありました。 1年半余り、はなみずきクリニックの二階に起居し、食事のことを初め、あれこれと彼の面倒を見て下さった院長には心から御礼申し上げます。
高校の卒業式には3月18日家内と一緒に出席しました。私も家内も息子が首席の賞を頂けるとばかり思っていたので、校長賞の次に中高連賞というよく分からない賞の受賞だったので少しがっかりしました。しかし、必ずしも本意の学校ではなかったにせよ、中高6年間無欠席で頑張ったことに対しては心から祝福してあげたいと思います。そして、またひとつ、私の人生に彩を与えてくれたもう一人の息子に対して感謝したいと思います。更に、前期試験の発表前夜,熱発して床に伏せっていた彼の顔をぺろぺろして看病してくれたもんど副院長にも感謝。 ( Mann Tomomatsu )
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 3月 3rd, 2010 No Comments »
一月十四日、私は九十四歳でなくなった伯父の告別式に出席する為、午前の外来は臨時休診にしてあったのでいつもよりはゆっくりの起床を予定していました。しかし、その日の早朝、眠りを破る携帶電話の呼び出し音で跳び起きると、電話の向こうの院長の声は私を驚愕させるに充分で、もんちゃんのリードが切れて目下脱走中というものでした。かつて我が家で飼っていた[リキ」の散歩で、リードなしでも全く安全だった谷田部の田んぼや畑の畦道ならいざ知らず、花見月通りともなれば、朝とはいえ、交通量も可なりあるし、理論必然的に不幸な顛末の予想が頭の中を駆け巡りました。喉は渇くし、焦りのいわく言い難い心持が全身に溢れてくるしで、とてもそこにじっとしていることが出来ず、すぐさま車に乗って牛久に向かっていました。
出かけて間もなく第二報が入りましたが、既に1kmほど走ったが姿は見失ったままで、仕方ないので、家に戻って自転車で探しに出かけると心細げに呟くと電話は切れました。私が牛久にたどり着くのには最短でも3時間はかかるので、その間院長を援助してもらう為に、もんちゃんを知っている人で、捜索に参加してくれそうなメンバーに片っ端から電話を掛けまくり、再び車を猛スピードで発進させました。その時の私は、声は上ずり、説明もうまく出来ず、全く冷静さを失っていると思いましたが、落ち着いた振りをする余裕もありませんでした。
いつも牛久に帰るときにはそうするように在来線を選択してしまったので、通勤の自家用車が徐々に増えて、焦る気持ちとは裏腹に車の流れは甚だゆっくりで、短気者の私は車の中で前を殊更のろのろ走る運転者に向かって怒鳴り散らしていました。その時の気持ちは余りうまく表現できませんが、ただひたすら絶望的な心持であったことは間違いありません。
こうして顛末記を書いているのだから、もんちゃんが無事生還したことはもちろんですが、私と同じくらい、あるいはそれ以上に絶望感に打ちひしがれていた院長のことを思うと心からお詫びしたい気持ちになります。なぜかと言えば、切れたリードを作って提供したのは私だったからです。自信作だっただけにその点でもショックでした。
結局、家に戻った院長が予定していた自転車はパンクしていて乗ることは出来ず、再びとぼとぼと歩き出したそうです。それから10分ほどして家の前に差し掛かった時、少し開けておいた門から家に戻ったもんちゃんが何食わぬ顔で[何しているの僕はここだよ]と言わんばかりに尻尾を振っていたのだそうです。
院長から最後の電話を貰った時、私の車は渋川の住居から15kmほど走った後でした。捜索依頼をした人たちにお詫びの電話をしたあと、絶望感から反轉、安堵感に満たされて、私はゆっくり来た道を戻りました。
甚だしい緊張感から急速に解放された時には常にそうであるように疲労を伴う虚脱感が全身に染渡るようなそんな感じでしたそして、10時からの伯父の告別式には予定通り出席しました。 (Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 1月 1st, 2010 No Comments »
はなみずきクリニック開院以来1年半が経ちました。欲を言えばキリがなく、妥協しても際限を知らず、大雑把な言い回しをすれば、可もなく不可もない比較的無難な滑り出しであったと思います。これも偏に院長の忍耐と冷静な判断、彼女を支えるスタッフの勤勉さの賜物と心得ています。
3年目を迎える今年は、これまで以上に無駄の少ない診療体制作りに心掛けなければならないと考えていますが、これは単に光熱費や物品消費の節約ばかりを指すのではありません。例えば、カルテ上の保険証登録の誤りや薬の数え間違いといった、徐々に減ってははきているものの繰り返される単純ミスをゼロに近づけるみんなの努力が、臨牀、経営と事務全般、安全管理等、全てをこなさなければならない院長の持続力を支える必須の条件であるからであります。
極小さなヒエラルキーの中で、非力ながらその底辺を支えるのが私の仕事であろうと覚悟を新たにしています。無論、より精度の高い臨牀を心掛ける点については言うまでもありません。地域医療の一部を支える医療機関としての地位向上を目指して今年も頑張って行く所存であります。 元旦。 (Mann Tomomatsu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 12月 9th, 2009 No Comments »
12月も29日ともなれば気の早い人は餅つきをしているかも知れない。おせち料理の準備に忙しいのは主婦ばかりではない。仕事が休みに入った男たちもかまぼこだの黒豆だのと不承不承買出しにつき合わされているに違いない。年末年始を国内にしろ海外にしろ自宅以外で過ごす人も少なくないだろう。そういう人たちはもう当地にはいない。受験生は間近に迫ったセンター試験の準備に余念が無く風邪も惹いていられない。そんな訳で年の瀬,外来受診の患者の数が少ないのである。
昨日ははなみずきクリニックの忘年会だったので、したたかに酔って帰りの車の中の記憶がまるでない。4時頃喉の渇きで目覚めるとズボンと上着を着たままの格好でスタッフルームのべッドに横になっていた。ふらつく足取りで台所に行くと、待っていたと言わんばかりに尻尾を振っているもんちゃんとばったり。彼をベッドの脇に連れて来ると、改めて私は着替えをして床にもぐり込んだ。6時頃再び目覚めたのはいつもそうであるようにもんちゃんの顔面への「ぺろり」である。彼は起きるまでそれを止めようとしない。さすがに二日酔いの眩暈感と頭痛で直には離床出來ずにいた。しかし、根負けした私は意を決してベッドから跳ね起き散歩に出掛けた。もんちゃんひとりに留守番をさせた後ろめたさからいつもより余計に時間を掛けた。体はだるいし頭は痛いが、殆ど無風で寒さを感じない。昨日の朝もそうだったが、冬とは名ばかりでやけに凌ぎ易いのも喜んでばかりはいられない。手袋なしでも平気なのは兎に角まずい。 ( Mann Tomomatsu )
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 11月 9th, 2009 No Comments »
晩秋と言うにはいささか暖かい日が続き、また一気に冬到来を思わせるような底冷えのする日になって、今日などは日向が嬉しい小春日和ときたら、本当のところ何が何だかさっぱり訳がわかりません。ただ、確かなことは、間違いなく地球は温暖化に向かっていると言う事実で、このままでは10年後、北極海の氷は全て解けてしまうという試算は可なり確かなようです。だから私も、今度プリウスを買うことに決めました。なお、高山院長も愈々オデッセイに見切りをつけて、新しく車を購入することになったようですが、どうもエコカーではないようです。いまのところ何にしたのかは教えてもらっていません。
秋になって、はなみずきクリニックに飾っている絵の内から数点を選んで、いくつかの展覧会に出展しました。そのなかで入賞作品が表彰されるのは、牛久絵画展覧会2009で、[シャトーカミヤ(夏)」が市長賞を頂きました。モチーフに指定があったので、改めて急遽一枚を一日で仕上げ、何とか締め切りに間に合わせました。A3サイズの小品ですが、自分としても可なり気に入った出来だったので、外来受付の上に飾り直しました。来院の折には是非御一瞥下さい。これからはヒロヤマガタ張りに、風景に人を配した作品を少し描いてみようかなどと考えています。もちろん、絵の中にはもんちゃんがいます。 (Mann Tomomatu)
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Posted in はなみずきクリニックのブログ on 9月 25th, 2009 2 Comments »
牛久に名所ありと言えば、まず第一に指を折るのが牛久シャトー(シャトーカミヤ)である.点において、異論を唱える人は少ないと思います。風格のあるレンガ造りの歴史的建造物及び手入れの行き届いた広い庭園は、水戸の偕楽園と並び称せられるべき茨城の名所であると言っても過言ではないでしょう。
レンガ造りの大きな建物(内、三棟は国の重要文化財に指定されている)が百数十年の時を経て、所々修理を必要とする箇所もあるようですが、埃を被ったレンガの表面の僅かな凹凸を指でなぞれば、過ぎ去った時間の長さを思わずにはいられないのであります。門を入った突き当りには、神谷伝兵衛記念館」があって、ワイン造りに関する様々な資料が展示されていて、その中にいると嘗てそこで働いていた古の人々の息遣いが聞こえて来そうな気持ちにすらなります。
歴史的にも重要な場所と建物でありながら、入園料を徴収しないのをいいことに、敷地内の庭園を専らもんちゃんの散歩コースとして利用させてもらっています。「はなみずき」からの距離はおよそ一キロです。しばらく前は早朝から門を開けていたので、自由に朝の散歩を楽しむことが出来たのですが、最近は管理上の問題からか、午前9時ごろまでは門を閉ざしたままになっているので仕方なしにその敷地の周囲を経巡って帰ってきます。
土曜日の夕方は当院の外来も午後4時ともなれば、その日最後の患者の診察を概ね終えているので、朝入れなかった敷地内にもんちゃんを連れてゆきます。 人込みの嫌いなもんちゃんは、当初可なりビビって、尻尾を股の間に挟んで尻込みする有様でしたが、最近は堂々その門から中に入って行くことが出来るようになりました。門を過ぎると、眼前に聳える時計塔のある最も大きな建物の中央は、アーチ型をした高さ5メートル余りの通路になっていて、真っ直ぐ進めば、記念館との間に噴水のあるタイルで円形に縁取られた浅い池が見えて来ます。そこは、綺麗な水を湛え、子供たちの恰好の水浴び場となっていました。そんな光景を何度となくもんちゃんと遠くから眺めていた私の心にひとつの思いが去来するのでありました。彼らに許されることがもんちゃんに許されざるべきか。
その日、私たち二人は堅い決心を胸に いつものように正面の門をくぐり、心なしゆっくりと噴水に近づいて行きました。幸い噴水の池には水浴びしている人影もありません。逸る心は徐々に抑制しがたく、リードを強く引っ張る感触を合図に二人は一目散に駆け出しました。そして、もう一歩踏み出せば池の中という所で、手綱を握る手を一気に緩めると、刹那、宙に舞ったもんちゃんの肉体は勢いよくダイブし、大きな水音と共に、水飛沫を上げていました。それはもんちゃんと私の思いが叶った瞬間でした。
池の縁に色とりどりの花の植わったプランターが隙間なく並べられるようになったのは其れから間もなくのことでした。 Mann Tomomatsu
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